【 抗うつ薬 】

抗精神病薬と同じく、1950年代に開発されました。かつては、三環系(さんかんけい)抗うつ薬、四環系(よんかんけい)抗うつ薬といったお薬が使われていました。最近では新しい抗うつ薬である、SSRI、SNRI、NASSAといったお薬がよく使われます。

新しい抗うつ薬の中でも、初期につくられたSSRIは、正式な名前を『選択的セロトニン再取り込み阻害薬』といいます。脳の神経細胞同士をつなげている部分(シナプス)での、セロトニンの量を増やすことで抗うつ作用を発揮します。

うつ病は、脳の中のセロトニンという物質の機能障害によるもの、という仮説(セロトニン仮説)のもとに、新しい薬が開発されました。

お薬を飲んでから効果が出るまで、およそ2週間から一か月ほどかかるといわれています。少し時間がかかるので、焦らないことが大事です。

また、SSRIは、うつ病だけでなく、強迫性障害や不安障害にも効果があるといわれています。

よくみられる副作用としては、吐き気など、消化器の症状が多いです。また、若い方は、むしろ気分の不安定さを引き起こしてしまう(賦活症候群:ふかつしょうこうぐん)ことが報告されており、注意が必要です。

診療部長 町澤 暁