【 抗不安薬・睡眠薬 】
かつては、バルビツール系というお薬が睡眠薬として使われていましたが、依存をつくりやすく、量が多いと呼吸がしづらくなったりと身体への影響も強いことから、今ではほとんど使われません。
現在では、ベンゾジアゼピン系という、比較的安全なお薬が使われています。
しかし、長期間使い続けていると、耐性(たいせい)といってそのお薬が効きづらくなってしまいます。また、やはり依存も問題になってきます。そのため、今では処方できる日数が限られていることがほとんどです(多くは30日までとなっています)。
急にお薬を飲むことをやめると、眠れなくなってしまったり(反跳性不眠:はんちょうせいふみん)、不安やふるえなどの症状(離脱症状:りだつしょうじょう)が起きることがあります。
また、習慣的にお酒を飲まれて、アルコールに強い方の場合、ベンゾジアゼピン系のお薬も効きにくいことがあります(交叉耐性:こうさたいせい)。
近頃ではこうした問題から、ベンゾジアゼピンとは異なる、依存性のない睡眠薬から使用することが推奨されています。
問題点ばかりあげてしまいましたが、使う期間や量に気を付ければ、有用なお薬です。
体にどのくらいの時間作用するかで、超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型、と分類されています。
不眠も、寝つきが悪かったり、途中で起きたり、朝早くに起きてしまったりといろいろなので、患者様の不眠のタイプごとに使い分けます。
診療部長 町澤 暁