【 精神療法について 】

精神科の治療の3本柱は、「薬物療法」「精神療法」「リハビリテーション」です。

柱の1つである「精神療法」とは、患者さんと治療者とで言葉などのやりとりを通して症状を改善させ、再発を予防していく方法の総称です。代表的なものとして支持的精神療法、認知行動療法、対人関係療法などが挙げられますが、今回は個別の治療法ではなく精神療法の基本についてご紹介します。

精神療法を行うにあたり、まず最も大切なことは、患者さんと治療者との信頼関係をつくることです。病気や治療のことだけでなく、日常生活で困っていることなども気軽に話せる関係をつくることで、治療の効果は一層高まります。

そして、患者さんが病気や治療について理解できるように、主治医をはじめさまざまな職種のスタッフが情報を提供し、患者さんが病気を理解して治療に積極的に参加できるようサポートします。

さらに、日常生活のストレスをためこんで病状が悪化してしまうことがあり、これらのストレスについても治療者と話し合い、具体的な解決策について相談していきます。
このように患者さんと治療者が病気、治療、そして生活について話し合い、問題を解決し悩みを軽減することで症状を改善させ、再発を予防していく治療法が精神療法です。

薬物療法、リハビリテーションと合わせて精神療法を行っていくことで、治療は効果を発揮していきますので、患者さんもご家族の方々も、主治医や病院スタッフに病気や治療、そして生活の悩みごとについて、ぜひ気兼ねなくお話しください。

副院長 中前 知里