【 認知症 】

何らかの原因で脳がダメージを受け、物忘れ、時間や場所が分からなくなる、理解力や判断力が低下するなど認知機能が低下する病気です。認知症にはいくつか種類があり、最も多い認知症はアルツハイマー型認知症で、次いで多いのがレビー小体型認知症や脳血管性認知症です。

アルツハイマー型認知症は脳神経が変性し脳が委縮し、物忘れなどの認知機能障害がゆっくりと進行していきます。これに対して脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害に伴って起こる認知症で、障害された脳の部位によって症状が異なり、急速に症状が進む場合もあります。レビー小体型認知症については、別のコラムでご紹介します。

高齢者の約5人に1人が認知症になると予測されておりだれでもなり得る病気です。また、上述の認知症の中核的な症状に加えて、気分が落ち込む、イライラして怒りっぽくなる、実際にはないものが見えると言う、物を盗られたと訴えるといった認知症の周辺症状がみられることもあります。周辺症状の程度によっては自宅や施設での生活が難しく精神科への入院が必要となるケースもあり、当院でも相談を受け付けています。

副院長 中前 知里